誰にでも起こるトラブル「交通事故編」

 

交通事故による死亡事故は、誰にでも起こりうる話です。

ここでは、以下の事例に基づいて、起こりうるトラブルや問題点を各専門の士業で討論します。

 

・ 6月某日 19時 車で帰宅中の男性(55歳)が、居眠り運転の対向車と正面衝突、病院へ搬送されたが、翌朝死亡。

・ 死亡した男性は、従業員数21名の企業を経営。

・ 死亡した男性は、神戸市内に先代から相続した農地、山林と、一戸建住宅を所有。

・ 任意保険へは加入しており、事故原因は100%先方の不注意。

・ 死亡時5000万円の生命保険に加入

・ 経営する企業は、赤字経営。従業員に対する未払い賃金がある。


一気にさまざまな問題が生まれる交通事故

P6030132交通事故は予期できないが故に想像していなかったさまざまなトラブルが生まれてきます。

今回の事例なんかは、特別なケースではありません。

まさに、今日、誰の身にふりかかってもおかしくない問題です。

特に死亡事故の場合には、損害賠償や、相続などの問題のほか、経営に関する問題も発生してきますが、まずは生命保険について考えてみます。



生命保険について

P6030137加入してる生命保険ですが、大きく分けて以下の2つのパターンが考えられます。

1.契約者が本人で、被保険者も本人。受取人が奥さん、もしくは法定相続人の場合

2.契約者が会社で、被保険者は本人。受取人は会社の場合

契約者が本人で、被保険者も本人。受取人が奥さん、もしくは法定相続人の場合

奥さんが受取人の場合、受け取った保険金は、原則として相続財産には該当しません。

民法上、第三者のためにする契約として、もともと妻が取得したもので、相続財産とは原則的に考えられていないからです。
ただし、特別受益として相続財産に取り込むよう判断した裁判例もあります。

なお、税法上、生命保険は、税法上相続財産とみなされ、相続税が発生する場合があります。

しかし受取人が、法定相続人と記載されている場合には、民法上も税法上も相続財産になります。

契約者が会社で、被保険者は本人。受取人は会社の場合

当然受取人である会社に保険金が支払われます。本人の死亡退職金として使われることが多いと思われますが、未払い賃金等に充当される場合もあります。

本件の場合は、未払い賃金があるので、会社の財産であり、受け取って保険金を未払い賃金に充当するかもしれません。


労災について

P7290088基本的には、経営者に労災は適応されません。

経営者は、労働者ではないからです。

ただし、労働保険事務組合の特別加入制度に、加入していれば経営者であっても労災が適応されます。

受給できる金額は、かけ金のコースによって異なります。



遺産について

P7290090

遺言書があれば、原則として遺言書の通り遺産分割がされますが、本件のような突発的な場合、遺言書がなく、民法で定められた法定相続によって遺産分割が行われます。

法定相続割合は、妻が1/2、残り1/2を子供の数で平等に割ります。例えば3人の子供がいれば、子供は一人1/6になります。

最近の最高裁の判例で、非嫡出子と嫡出子と平等の割合になりました。例えば、亡くなったご主人が愛人との間に子供がいれば、その子も平等に相続でき、4人の子供がいることになって、1/4づつになります。

遺産分割協議により、どの財産をだれが取得するか決まってきます。必ずしも遺産分割協議によって法定相続分の割合になるとは限りません。それは協議が優先するからです。

本件では農地と住宅地を持っておられるので、その他預金等の財産を含めて、遺産分割される事となります。

住宅地もですが、農地についても最近開発の進んだ関係で、農地の境界争いなどもありますので、土地家屋調査士にご相談下さい。

特に遺産の不動産を売却しようとした場合、売主に境界明示義務が慣例化しつつあるように思われます。

遺産分割の際に問題になるのが農地や宅地の評価の方法です。

固定資産税の額で考える方法、路線価で考える方法、実勢価格で考える方法などがあります。

ここで大切なことは上記の評価方法のどれを使っても構わないのですが、相続人が全員同一の物差しで考えなければばらないということです。

例えば相続人が3人いたとしたら、一人目は固定資産税の評価額を主張し、二人目は路線価を主張し、また三人目は実勢価格を主張するということになればまとまりませんので、評価の方法を一つに絞るという

ことです。

最もお金がかからないのが固定資産税の評価額で考える方法です。

一般的に地価公示ベース価格の7割が評価額となっていることが多いのですが、生の数字を使っても、評価額を0.7で割り戻しても全員の合意があればどの方法でも良いと思います。

逆に最も費用が掛かるのが実勢価格を採用した場合に鑑定評価をした場合です。

数十万円単位の費用がかかります。

農地も鑑定で実勢価格を出せないことはないのですが費用がかかりますので、固定資産税等を考えた方が良いかもしれません。


自動車保険について

両者とも自動車保険(任意保険)に加入しておれば、本件の社長の遺族は、相手方に対する損害賠償を、相手方の自動車保険(任意保険)で支払われる金額によって補填してもらえますが、相手方が自賠責保険だけで、自動車保険(任意保険)に入ってない場合、相手方の自動車保険(任意保険)から、損害賠償が補填されませんから、自賠責保険及び相手方の財産から回収せざるを得なくなります。相手方が資産家であれば補填される可能性はありますが、無資力の場合、賠償金を回収できなくなる危険性があります。

そのために、自らの自動車保険(任意保険)に、無保険者保険というのがあります。相手方が強制保険のみで自動車保険(任意保険)に入っていない場合の危険性を回避するための保険で、自分の加入している保険から、損害金を受けることができます。


不動産の相続登記と届出について

亡くなられた方の不動産は、遺産分割協議等で不動産の承継者が決まった後に、相続登記(所有権移転登記)をします。

相続登記は、不動産の所在地を管轄する登記所毎に申請します。
相続登記に申請期限はありません。しかし、登記簿上の所有者になっていないと不動産の処分ができないこと、登記を怠っているうちに相続人が亡くなる(二次相続)等で手続きが複雑になることが多々あります。早めの登記をお勧めします。

農地や山林等を相続する場合は、農地法や森林法等に基づく届出義務に注意してください。




士業討論「それでは、中学生でも可能な事業内容はどんなものが?」

前回は、「もし中学生が起業したら・・・」という議題で、「そもそも起業が可能なのか?」ということを話しあいましたが、今回は、 「では、中学生でも現実的に可能な事業にどのようなものがあるか?」 を徹底討論しました。

 

中学生でも可能な事業

P2081275前回の話では、インターネットで見つけた中学生の投稿を元に話したので、その投稿にあった「介護」という仕事について考えました。

しかし、介護の場合は、環境庁などの許可や、介護保険を使える許可など、手続き上の問題も多く現実的な起業は難しそうでした。

そこで、イマドキの中学生なら、できるんじゃないか!?と思える事業についていろいろと考えてみました。

 

ソフトやアプリの開発はあり得るんじゃないか!?

P2081278コンピューターやゲームのソフト、スマートフォンのアプリなどの開発は、中学生でも現実的に起業が可能な事業ではないだろうか?

いや、すでに事例としてあってもおかしくない。

インターネットを駆使すれば、ソフトやアプリを販売して、収益をあげることは、中学生でも十分に可能だ。

オークションの出品代行や、本やCDの出版も可能だろう。

 

個人所得?事業所得?

P2081280では、中学生がそのような事業で収益を上げた場合、税金的には、どのような所得になるのだろうか?

一時的に入る所得であれば、個人の雑所得と考えられるが、継続的な所得の場合は、事業所得と考えられる。

ソフトやアプリの開発、本の出版などは継続的な所得が予測されるため事業所得と考えられるだろう。

例えば、開発したソフトやシステムを、どこかの企業が買い取った場合などには、譲渡所得となり、半分以上は税金となりそうだ。

また、ライセンス契約なども使用許諾料として事業所得になる。

 

法人化すべき?

P2081276法人化のメリットは年商2000万円がひとつの分岐点になるといわれています。

中学生が起業する場合は、売り上げの推移を見ながら、法人化のタイミングを検討する必要がありそうです。

 

このように、現代では中学生の起業ということが、現実的に起こりうる可能性があります。

 

※ あくまでも、話し合いであり、法律上の答えではありません。

文責:原野史朗

士業討論「もしも中学生が起業したら・・・?」

士業ドットコムでは、法律や世の中の仕組みを、もっとみなさんにわかりやすくお伝えするために、「もしも○○だったら・・・?」という奇想天外な話を真剣に話し合ったりしています。

今回のテーマは「もしも中学生が起業したら・・・?」です。

 

そもそも中学生が起業できるの?

PC210664きっかけはインターネット上でみつけたこの投稿でした。
http://okwave.jp/qa/q7535373.html

Q&A形式での中学生の投稿「中学生で起業を考えています」という内容に、否定的な答えが多かったので、できるだけ肯定的に各専門分野の士業たちが話し合いました。

まず、問題になったのが、そもそも「中学生が起業できるのか?」ということです。

いろいろと話し合った結果、 「親権者の同意があれば未成年者でも起業は可能」 ということです。

個人事業はもちろん、法人化もできそうです。

ただし、発起人は親権者の承諾があれば未成年者でもOkですし、取締役についても可能なようですが、登記の際に必要になる印鑑証明が、神戸では14歳からしかとれない ようです。

これは各自治体の条例で違いがあり、15歳以上というところもあります。

しかし、未成年の法的能力として、未成年は取り消しが自由であり、信用面で非常に不安定とみなされるかもしれませんが、親権者が起業を承諾した時点で、成人とみなされ、トラブルなどについても本人責任となることを覚えていたほうがいいでしょう。

 

お金に関する問題はないのか?

PC210666未成年の経営者の場合でも、当然納税義務が発生します。

親権者の連帯保証人があれば融資を受けることも可能かもしれませんし、親権者の保証人があれば、事務所等の賃貸物件を借りることもできそうです。

ただし、これはあくまでも、可能性があるということで、実際にその中学生の信用がどう評価されるかはわかりません。

資格が必要な事業はどうか?

PC210663

事業を行うにあたって、資格が必要な場合はどうでしょう?

宅建(宅地建物取引主任者)に関しては、年齢制限はなく受験可能です。

税理士・公認会計士に関しては、受験は可能ですが、未成年は欠格となります。

行政書士・社会保険労務士・司法書士に関しては、未成年は不可であり、登録は20歳以上となります。

ところが、弁護士に関しては、特に欠格に関する記述が見当たらず、現在調査中です。

(もしかしたら未成年の弁護士は可能なのかもしれません。)

 

 

労働に関する制限はないのか?

PC210667

年少者労働基準規則の中に、「16歳未満は断続的業務で15kgを持ってはいけない」という記述があります。

中学生が起業した場合に、社長自らが、このような行為を制限されるような業務は問題がありそうです。

また、未成年者には労働時間の規定や、深夜労働に関する規定もあります。

 

このように、中学生の起業は可能ではありますが、現実的には成人が起業するときに比べて、さまざまな問題が発生する場合がありそうです。

学生の時には、ボランティア等で社会貢献しながら学業に本分をおくことをオススメします。

 

※ あくまでも、話し合いであり、法律上の答えではありません。

文責:原野史朗

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。